こんにちは。
東京・狛江の谷田部畳店です。
お盆前の夏の繁忙期がひと段落したかと思ったら、
お盆休み明け早々から、
たくさんのご用命を頂いており、誠にありがたいと感じる日々でございます。
さて、今日のブログでは、
他のいろいろな建築材料と違って、
畳は自然素材を生かした人にも優しいものということをお伝えしたいと思います。
畳って何からできているの?
まず、畳の部材からご紹介していきたいと思います。
畳は床、表、縁(へり)の3つの部材からできています。
下のような形です。
床に表をかぶせて、長辺に縁を縫い付けるという構造です。
短い辺は床の下部の方まで表を巻き付けます。
部材① 床(とこ)
本来の床は、「藁(わら)」を材料にしています。
植物素材ならではの、自然な柔らかさがあります。
近年は建材メーカーが作った建材床が普及しています。
わら床の自然な柔らかさはないのですが、
わら床よりカビやダニが発生しずらいという長所があります。
また、「柔らかい」という藁の良さと、「ダニが発生しずらい」という建材の良さを合わせた「わらサンド」という床もあります。
部材② 表(おもて)
表は植物であるイグサを織り込んでできています。
化学的な材料は一切使っていません。
なので、表は「建築材料」というより「農産物」と言った方が良いかもしれません。
野菜や果物と同じで、その年の天候などで生育状態が変わります。
良いイグサが育つ年もあれば、そうでない年もあります。
表を床(とこ)に縫い付ける前は下のようになっています。
イグサをただ織り込んだ状態で畳店に納入されて、
畳店にて床に縫い付けていきます。
イグサ素材の他に、和紙や塩化ビニール素材のものも最近は出ています。
和紙やビニール素材はイグサと違って、
赤、黒、青など色や柄を付けることができるので、
バラエティー豊かになります。
部材③ 縁(へり)
畳の長い辺には縁(へり)を付けることが一般的です。
最近は「琉球畳」と呼ばれている、縁を付けない畳も人気があります。
縁は数限りないほどの色、柄があります。
同じ柄でも何種類も色違いがあったりします。
縁でずいぶんとお部屋の印象も変わってきます。
畳の部屋は草原の中にいるのと同じ!!
このように床は藁(わら)、表は藺草(いぐさ)というように、
畳は自然素材をそのまま材料に使っています。
新しい畳はしばらくは藺草の香りが漂いますし、
畳のお部屋は藺草(いぐさ)の草原の中にいるのと同じです。
このような建築材料は畳以外ではあまりありません。
柱や梁などに使う木材は、ほぼそのままですが、
床材のフローリングは加工されてあります。
障子や襖(ふすま)の紙も、漉(す)く作業をしていますので、
原材料をそのまま使っているわけではありません。
畳という建築材料は世界的に見てもユニークだと言えるでしょう。
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